1人が本棚に入れています
本棚に追加
3人の遺体
3人の遺体の身元は新海翠、日野竜、鉄歌雄……3人合わせて新日鉄。
2015年、尾崎清太会長がイタリア出版の会長職を逐われて江ノ島へ追放されていた頃、船乗り江戸主水は、航海中に死んだ船長の遺言で江ノ島に立ち寄り、尾崎の側近の黒壁に小荷物を届け、同席していた尾崎とも面会する。そして黒壁から、織田という人物に宛てた手紙を託される。航海から戻った江戸主水は、船主のモレル氏から新たな船長への昇格を約束される。
「ションベンが漏れる」
それを聞いた会計士の鐘巻は、若輩である江戸主水の出世を妬み、江戸主水の恋敵の服部を唆して、検事のもとに「江戸主水が人を殺そうとしている」という嘘の密告書を届けさせる。そんなこととは知らない江戸主水は、婚約者の小峰藤子との結婚式の準備を進めるが、婚約披露のパーティーの最中に逮捕されてしまう。
そんなことは知らずワタシは776号室で腹筋していた。刑事は体力勝負だ。
3人の遺体が見つかったあの場所にいたあの男は服部だったのだ。
777号室からはカレーの美味しそうな香りがする。
新海、日野、鉄の3人は服部一味だったのだ。
チャイムが鳴ったので出たら、新井が立っていた。
「何ですか?」
「カレー余っちゃったんで、食べます?」
「ありがたくもらいます」
刑事である前に女性なのだ、新井に少しだけときめいていた。
ワタシはオセロで荒い新井と勝負したがぼろ負けだった。
最初のコメントを投稿しよう!