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 ようやく隣の奥さんが帰っていった。  今から買い物をして夕飯の支度をしないと。子どもたちの塾や習い事前に準備を終わりにしておきたい。  わたしは急いでリビングのカップを片付け、財布と携帯をもって、出かけた。  きょうは生鮮が安い日だ。  肉、野菜、魚を買い込んだ。  両手は買い物袋でいっぱいになってしまった。余りの重さに白菜を止めておけばよかったとか、牛乳を買わないで我慢すべきだったと、帰り道、後悔していた。  ふと、隣の奥さんらしき人が商店街を横切ったように見えた。  さっきまでの服装とは違い、かわいらしい薄いピンク色をしたワンピースだった。髪をふんわりとおろしていて、耳にイヤリングをしていたように見えた。 ――なんだ、デートじゃない  私は思った。  なんだかんだ言って、夫婦仲良しなのね  私は隣の奥さんとの会話を思い出した。  しかし、きょうのおっぱいプルン話は衝撃的だったわ……  家に帰ると、まだ子どもたちは学校から帰っていなかった。  洗面所で手を洗っていると、薄明りの中、鏡に年老いた女の顔が浮かぶ。  私は一瞬ギョッとした。  そして自分の顔だと認識し、苦笑した。  皺もあり、法令線も出ている。白髪も生え際から目立ってきた。    自分の中で、自分はいつでも二十歳ぐらいの顔だが、現実は違うと思う。  胸も……確かに位置が下がっている。若干体が大きくなったのは中年太りだからだろう。  なんだか自分の姿にがっかりした。
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