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「ねぇ、優斗?」
「ん?」
雨の音が激しくなるにつれ、私は次第に不安になっていた。
「なんかさ、車の調子、ヘン……」
「え?」
と同時に、車がガクンと大きく揺れた。
「へっ、な、なにっ」
私はハンドルをつかんでブレーキを踏む。が、ハンドルが取られ思うように動けない。
「や、やだっ、なにこれっ」
「杏奈っ、落ち着けって。とりあえず車、端によせろ」
よろよろと頼りない走り方で、畑の脇の空き地に車を停めた。
対向車も後続車もなくて助かった。
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