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キラキラキラキラ銀色に輝く百円玉が、コロコロコロコロと、わたしの目の前に転がってきた。
やったー、わたしは心の中でガッツポーズを決めた。
なんたる幸せなんたる幸運なんだろか、わたしにもついについに、幸運の女神が微笑んだのだ。
不運だった、わたし栗林 百子十七歳に訪れたこの幸運を逃してたまるものか!
今までの人生は悲惨だった。例えば、大好きな犬にも猫にも嫌われ、ワンワン吠えられたり、猫パンチを受けるような人生だった。
よっしゃー百円玉をゲットしたぜぃと手を伸ばしたわたしを、無残にも裏切り百円玉はコロコロコロコロと転がり、自動販売機の下に潜り込んでしまったのだ。
「嫌だ~どうして」
どこどこどこどこ、わたしの百円玉ちゃん。
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