プロローグ

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「じゃあねぇ、めんこって知ってる? お兄ちゃんのお古なんだけど」  手持ちの小さな(かばん)からよれためんこを複数枚取り出す。 「めんこ? しらないなぁ。どうやってあそぶの?」  清子は紙めんこを手に取り、色々な角度で観察している。 「えっとね、まずは地面に丸をかいて何枚かめんこを置くの」 「うんうん、それで? 次は?」  清子の目が爛々(らんらん)と輝いている。  新しいことが好きな清子にとって人間の遊びは新鮮らしい。 「で、一枚だけ手にとってめんこを丸に向かって投げつけるの。えいっ」  しかし、たきの投げためんこは一つもひっくり返らなかった。 「あれー? おかしいなぁ、お兄ちゃんはもっと簡単にできてたのに」 「きよこもやってみたい! やらせて、やらせて!」 「いーよ。じゃあ、こっちが清子ちゃんのね」 「うん! ありがとう」  嬉しそうにはにかむ清子にたきまで嬉しくなる。 「えいっ」  清子の投げためんこは風圧でふわりと丸の外に出た。 「あっ。いーなー、外に出た分のめんこは清子ちゃんのだよ。ひっくり返すだけじゃなくて、丸から出たり、自分のめんこが丸の中にあるめんこより下になってたら自分のものになるんだって! それで、たくさん取れた人の勝ち!」  私もと思って投げためんこはやはり、うんともすんとも言わなかった。  悔しくて何度も繰り返し白熱した。
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