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見ての通り、桑野先輩は俺が風紀委員長になったことを認めてくれないのです。
そりゃ、前風紀委員長にお世話になったからって酷い話!
でもその先輩も卒業しちゃったからな~。
わんこはまだしも、美鶴さんはどう思っているのか…。
俺だってびっくりしてるのよ?
高校に入って間もなく風紀委員長に選ばれて『QUEEN』に選ばれて!!
どんだけ波瀾万丈なのよ!!!
「今日は特に仕事はありません。始業式も無事終えたことですし、本日はお休みとします」
「そんなゆるゆるでいいのかよ、委員長さん」
「それでは桑野先輩は見回りをお願いしますね」
「俺だけかよ!!」
「おや、不満があるようなので見回りをしたいのかとばかり思っていましたが?」
「テメェ…!!!」
「おい」
「…んだよ」
「コイツに手は出すなよ、面倒な事になるから」
「…チッ!」
憐斗きゅん!ナイスフォロー!!!
俺のチキンハートがドッキドキだったよ!!!
てか、ほんと桑野先輩どんだけ俺の事嫌いなの…。
「…ハァ…」
「…ため息か?」
「…っ!?」
「油断はダメだぞ?お前なんて直ぐに掘られて終わりだ、万里」
「…豊巳、先輩…」
「櫂って呼べって教えただろ?」
「…み、耳元で話すのやめて貰えませんか?」
「感じちゃうって?」
「気色悪いので」
「連れないこと言うなよな~」
俺の後ろから呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンした人こそ、前風紀委員長の豊巳櫂先輩。
この人ほど歩く18禁って言葉が似合う人はいない…。バ会長も似たようなものか…。
てか、なんでここにいるの?大学は?
「…ひ…っ!」
「かーわい♪」
耳!舐めんな!!キモイ!!!
「おい、豊巳先輩」
「んー?あ、憐斗じゃん」
「コイツに手を出すな」
「なに、騎士気取り?」
「一応、コイツの護衛ってことになってるからな。あんまり手を出されると後々面倒なんすよ」
「『姫』も『騎士』も大変だね~」
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