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日が落ち、窓から橙の光が漏れてきました。耳の長い影と丸い大きな影が揺れています。
雪は降り続き、夜にはまた、あたりは一面の雪の原になっていました。
うさぎの家から、うさぎと隕石が出てきました。
隕石は気持ち良くお腹いっぱいになって、ふわふわ浮いています。
「また明日」と、うさぎが言いました。
隕石は空に帰っていきました。
降り続く白い雪の中を、濃い灰色の点がゆっくりと小さくなっていきます。
うさぎは、それをじっと見送りました。
隕石がすっかり見えなくなると、うさぎはいったん家に入り、大きなリュックを背負って出かけていきました。
夜遅くに帰ってくると、持ち帰った材料で料理の仕込みをして、疲れてぐっすり眠りました。
翌朝、うさぎは朝食を用意して家の外で隕石を待ちました。
ところがこの日の朝、隕石はやって来ませんでした。
うさぎは一日中空を見上げていました。
でも、夜になっても空がきらりと光ることはありませんでした。
その次の日も、隕石はやって来ませんでした。
あたりはがちがちに冷え込んで、雪はうさぎの背丈よりも積もっていました。
その次の日は風が強く吹き、雪がたくさん降りました。
うさぎは寒くなると家に入って、また外に出て待っていました。
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