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「オレのせいで平井に何かあったら困る」
先輩の様子は先ほどと変わらず、真剣そのものだ。
このままだと、私の方がどうかなってしまいそうで、熱くなってきた頬を隠すように横を向くと、先輩が私の肩を掴んで自分の方へ向かせた。
先輩がまさかそんな行動をとるとは思わなくて、私は何度もまばたきしてしまう。
「先輩?」
「本当に困るから。何もなければそれでいいし、一応気をつけてほしい」
「はい……」
呆然としたまま返事をしたけれど、先輩はそれで少し安心したらしい。表情を緩め、私の肩から手を離した。
「ごめん、遅くなったな。帰ろう、送るから」
「あの……私、本当に大丈夫ですよ?」
先輩が前田さんを送って、それで終わる話ならそれがいいのかもしれないと思ってそう言ったけれど、先輩は溜息をつきながら私に帰り支度を促す。
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