2章:自分なりの答え

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そちらがわざわざ教えてきてくれなくとも、おおよそ想像はついていた。 何も連絡をせず、無欠席を繰り返しているのだから、留年なんて当たり前だ。 「留年になることは分かってました。私が無断欠勤を繰り返しているので。 それで、あの…大学を辞めるには両親のサインとか色々そういうのが必要になりますよね?」 「両親または両親の代わりになる大人の方のサインが必要になりますね」 「そうですか。あの。留年の件に関してなんですが、一旦保留にして貰えませんか? 辞めるにしても留年するにしても、両親と話し合わなくちゃいけないので」 「分かりました。期限内にご連絡頂けると幸いです。期限をお過ぎになられた場合、再度こちらからご連絡をさせて頂きます。 それでは失礼致します」 正直、大学はもう辞めたい。現に通っていないため、お金が勿体ない。 中退…。この言葉を両親はどう受け止めるのだろうか。私が中退することに納得してくれるだろうか。 当然、納得してくれないであろう。兄が公務員に就職した時も猛反対したい親だ。そんな両親が私の中退を理解してくれるはずがない。 しかし、大学の授業料を支払っているのは両親だ。 辞めるということは、お金の問題も発生するので、いずれは両親に大学を辞めることを話さなくてはならない。 今、両親以外にサインを貰うことができる知り合いの大人もいない。 私は中退さえも許されない身分だということだけはよく分かった。 しかし、いつまでもこのままというわけにはいかない。 まずはもう一度大学へ行き、手続きの話をし、両親との関係やこれまでのことを洗いざらい全て話すことを決意した。 もう大学に通い続けるつもりはない。辞めるために全てを曝け出す。今更、隠すものなんて何一つなかった。 これがAVをやっていた者の末路なのかもしれない。
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