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そんなことをだらだらと考えているうちに、外は暗くなり始めていた。
これくらい間を置けば、悠一に出くわす可能性もないだろう。
私は、自分のグラスと悠一が置いていったカップを一つのトレーにまとめ、返却口へ運んだ。
私が片付ける義理なんてないと思わないでもなかったけれど、そんなことはお店の人にとってはもっと関係のないことだった。
「ありがとうございましたー」という声に見送られながら店を出る。
辛いとか悲しいとか、悔しいとか許せないとか、そういう強い感情は全くわいてこなくて、なんだかどっと疲れた感じがだけがする。
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