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カヨは、アルクに言われた通り父親をつれてやってきた。
「カヨ、ここは一体」
「お願い父さん、何も言わずに言う通りにして」
父親は、目の前にいるアルクに困惑している。それもそうだ。こんな子供になにができると普通の人は思うだろう。
「はじめまして、お父さん」
父親を迎えたアルクは、一礼するとソファに座る。困惑していた父親もアルクが動じないと知ると観念したかのようにソファに座った。
「娘様から依頼をうけました。記憶を消させていただきます」
「一体なんの話だ」
「おや、家族でお話をされていない様子ですか?」
カヨは、下を向いてなにもはなそうとしない。
「あなたの奥さまの一切の記憶を、あなたから消します」
「なんだと!?」
さきほどまで、おどおどしていた父親の顔が急に赤くなる。その怒りの矛先は、カヨにむかずに、アルクに向けられた。
「なぜ、俺からカエの記憶を消す!?」
「それがあなたの娘様からの依頼です」
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