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 少し拗ねたように言い訳を口にする様はまるで子どもである。 「お前は俺が撮影に出る前も、帰ってきた時も子どもやなあ」  柊にしみじみと言われ、 「俺は十六や。兄ちゃんらと違って正真正銘、子どもなんやって」 意地になって、喰ってかかる。柾はそれを見てどこかホッとしたように小さくため息ついた。柊は楓の頭をさらにクシャクシャに撫で、柾に向かって意味深に微笑んだことに、楓は気付かなかった。  ちょうど、チンッとタイミングよくトースターが音をあげ、柾はパンを取り出しながら、 「ほら、楓。バター塗って早ょ食べな」  楓はパンとバターを受け取り、ニコニコしながらたっぷりとバターを塗り、かぶりついた。 「ねぇ柊兄、今度はどんな写真集になんの?」  口いっぱい、まるでリスのように頬張りながら柊にまとわりつく。本当に久しぶりな会えて嬉しいと全身で表現する楓に、柊も柾も苦笑しながら目配せをする。  多少の混乱はあるものの、うまく記憶は入れ替えられていると……  昨日の楓は、返り血を浴び服を真っ赤に染めて震えていた。     
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