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「お前が弱音吐くか?」 「おい、一応兄貴やろが。念のためや念のため」 「はいはい、素直じゃない柾とかわいいかわいい楓に会いに、明日中に帰るわ。迎えはいらんで」 「当たり前や、はょっ……」  ぶちっ という音ともに柊の気配は消え、無情にも電話は、ツーッ、ツーッ、ツーッという音だけを残す。柾はふるふると電話をもつ手を震わせ、携帯をクッションに投げ付けた。
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