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「れ〜ん〜!」
朝、相も変わらず僕の怒声が響き渡る。
「だって、ハルが悪い」
「僕の何が悪いのか、説明してもらおうか」
「そうやって、怒った顔も色っぽいハルが悪い」
そう言って、蓮が僕の頬にキスをする。
「だ〜か〜ら〜!その手!」
僕のシャツに手を差し込む蓮の手を叩く。
すると蓮が唇を尖らせて、僕を後ろから抱き締めると
「ちぇっ!もう、店に降りる時間だ。小島のおっちゃんが待ってるから、行くか」
そう呟いて頭にキスを落とした。
僕はわざと大きな溜め息を吐いて、蓮の後に続いてお店へと降りる。
蓮が開店準備をしている間に、コーヒーの準備をする。
時間は朝の7時丁度。
お店のドアが開いて
「おはよう、はるちゃん。蓮君」
小島さんの笑顔に、僕達も笑顔を返す。
「おはようございます」
「おっちゃん、おはよう」
僕達の笑顔に、小島さんはニコニコして頷く。
相変わらず、蓮が何を考えているのか時々分からなくなるけど…。
それでも、あいつが僕の為に一生懸命なんだって事はわかったような気がする。
小島さんのコーヒーを落としていると、再びお店のドアが開いた。
「おはようございます。いらっしゃいませ!」
今日も、お店からは僕と蓮の声が響き渡る。
僕達はずっと、此処で同じ時間を過ごして行く。そう、ずっと…永遠に…。 〜完〜
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