今はとなりで ―― 夫と歩く

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 家族が花粉症のこともあって、部屋の中で洗濯物を干しながら、長男の妻が私にした話を夫にしていた。 「生きてればね」  うっかり言ってしまった私のその言葉に重ねるように夫が言った。 「俺もな、生きてればな」  心の中で、ごめんとあやまりながら続けた。 「そうよね、誰だって先のことはわからないものね」
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