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性癖入門講座① 晩春
この講座は、とある中途半端に知識を持つ少年とこれまた中途半端に知識を持つ少女の想像の範囲を出ない話です。
リラックスして疑心を持って聞きましょう。
登場人物
有沢晴吉…中途半端に知識がある少年。
読書文芸部で本を読むのが好き。
海端叶絵…中途半端に知識がある少女。
読書文芸部で本を読むのが好き。
1、有沢君と海端さん
―夕暮れに照らされる高校の校舎。
その最北端にある他教室から隔離された場所にある図書室では、
紺色のブレザーを着た女子と学ランの首のホックを外した男子が同じテーブルで
面とは向かい合ってないが本を読んでいた。
女子の方はショートボブの茶色い髪、小さい顔、目はパチクリと大きい。
背は小柄で可愛らしい印象を受ける。
背もたれに体を預け、テーブルの下に黒いハイソックスと緑のサンダルを
履いた足を延ばしている。
男子の方は、髪色が黒い。
少し面長ではあるが、鼻が高く、目の堀が深い。
色黒で逞しい印象を受けるが、それをスクエアフレームの眼鏡が和らげている。
女子とは正反対にきっちりとした姿勢で本を読んでいる。
図書室には静かな空気が流れている。
それを一つの言葉で突き破ったのは女子の方だった。
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