御陵のぬいぐるみ:情操教育と不燃性

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御陵のぬいぐるみ:情操教育と不燃性

 御陵の家には、かなりの数のぬいぐるみがあります  それも、(たぶん)普通の家では考えられない数が。  そのぬいぐるみの9割近くは、ポケモンのぬいぐるみ。  それ以外のものも、ちらほらあります。  このぬいぐるみ、全体の8割が長男のもの。  時には生きた相手として話しかけ、自分なりの愛情を注ぎ、時には自分がポケモンなどになり切るための、ペルソナの一つ。 自閉を特性として持った長男の、情操教育の重要なツールの一つです。  ぬいぐるみと暮らす長男、本当はぬいぐるみの声が聞こえてるんじゃないか、などと思うこともしばしば。  ……御陵的には、ちょっと数が多過ぎて邪魔になり、捨ててやろうかとも思ったりしますが、やっぱりできない。  それは、「子どもに対する魂の犯罪」に他ならないので。  また、このぬいぐるみたちが、長男が何とか無事に「十歳の壁」を越えられた要因の一つでもあるのは、間違いありません。  自閉の子たちに指示を通す場合、ぬいぐるみにお願いしたいことを言わせると、通りやすいと言われています。  実際、長男にそうしたことも結構ありまして。  御陵の担当ぬいぐるみは、ポケモンの「ニャース」。  夜寝る前だとか、ニャースが長男の相手をさせられます。  画像の向かって左がニャース。  右のスズメみたいなのが、今長男が溺愛している『ポーグ』という原住生物です。  (『スター・ウォーズ エピソード8』に登場)  まあ長男に言わせると、「ニャースはうざいし、言うことはウソばっかり」らしいですが。 【よく言うニャースの台詞】  ・「トモユキはヒドいヤツなのニャ」   (ニャースは長男に結構いじめられる)        ・「そんなコトだから、トモユキのお腹はゴージャスで、   お尻はデラックスなのニャー」   (不覚にも、長男は軽度の肥満判定を受けてしまった)    →2018年の夏休み、酷暑のためにほとんど外出させなかったので……  ところで、ラノベなどでは語尾に「ニャ」を付ける美少女キャラが登場したりします。  しかし、御陵は長いことニャースを演じてきたためか、どんな美少女イラストを見せられても、語尾の「ニャ」を見た瞬間、犬山犬子のニャースボイスで脳内再生されてしまうので、絶対に萌えない自信があります。  すっかり不燃性の御陵……。  なお、「子どもに対する魂の犯罪」という言葉は、確か『カスパル・ハウザー』という本に出てきた言葉です。  この本は、みすず書房から刊行された学術書(たぶん)。  カスパル=ハウザーという人物自体は、ググればいくらでも出てくるでしょう。  ご存じの方もいらっしゃるかも知れませんが、カスパル=ハウザーは、赤ん坊の時にあらゆる情報から隔離されたまま青年になった、実在の人物です。  ご興味のある方は、調べてみることをお勧めします。 (あるグループが歌う曲にもなっています) d1169754-435b-44c2-b83c-aa1714bd612f
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