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御陵のネタ本:小説/エッセイ/学術書など
……情けないことに、就職してからの御陵は、小説を余り読まないのです。
たぶん、一番小説を読んだのは、小学生から高校一年生にかけて、かと。
その頃は、ハヤカワの古典SFをそれはもう結構な数で読みました。
筒井康隆、星新一それにコナン=ドイルも、ハヤカワではないですが、かなり読んで影響を受けているかと思います。
で、高校二年生辺りから、御陵は本格的にオカルト方面に歪み始めまして。
その当時から読み始めたのが、澁澤龍彦のエッセイでした。
そう、マルキ・ド・サドの著作の翻訳者でもある方です。
(御陵も『悪徳の栄え』、『美徳の不幸』、『ソドム百二十日』など、ひと通り読んでおります)
そして未だに、御陵のハイ・ファンタジー世界の形成に多大な影響を与えてくれているのが、以下のエッセイ。
『黒魔術の手帖』(河出文庫)
『毒薬の手帖』(河出文庫)
『夢の宇宙誌』(河出文庫)
『胡桃の中の宇宙』(河出文庫)
『世界悪女物語』(河出文庫)
『幻想博物誌』(河出文庫)
特に『幻想博物誌』は、プリニウスの『博物誌』やら、各種モンスターについての論考になっています。
御陵の高校時代、富士見や新紀元社のファンタジー種本が流行りまして。
御陵の知人にも、この手の種本を読んでいる人が結構おりました。
……ある御陵の友人は、御陵が『幻想博物誌』を読んでいるのを見て、「コイツは違う」と思ったそうな。
ファンタジー物を書く方で、まだ澁澤龍彦の著書を読んだことがない方は、『黒魔術の手帖』と『幻想博物誌』の一読をお勧め致します。
たぶん、富士見/新紀元社の種本の底本になっているとは思いますが。
ついでに、澁澤龍彦は小説も書かれておりますが、御陵がイイと思ったのは、次の二冊。
『高丘親王航海記』(友人に貸したままで出版社忘れた……)
『エピクロスの肋骨』(福武文庫)
『エピクロスの肋骨』は、澁澤龍彦の没後に発見された初期作品だとか。
ちなみに、御陵がラヴクラフト全集(創元推理文庫)を読み、オカルトホラーのようなものを書き始めたり、また白銀時代の原型をこしらえたりしたのも、この頃だったりします。
さて学生になり、生意気にも高い専門性と深い情報を求めた御陵は、いよいよオカルト専門書どっぷりに。
大学の近くの本屋には、ハードカバーのアヤシイ本が常に並んでいて、御陵が何冊もガメてしまいました。
(逆に御陵以外は誰も買わないとも云う)
『象徴哲学体系1~4(人文書院)』、『世界魔法大全1~4(国書刊行会)』とか。
どれもかなり退屈な本なので、正直なところ、よほど興味のある方以外には、とてもお勧めできません。
反対に一読をお勧めしたいのが、次の本。
ジョゼフ・キャンベル『神の仮面 上・下』(青土社)
種村季弘『悪魔礼拝』(河出文庫)
種村季弘『吸血鬼幻想』(河出文庫)
種村季弘『怪物の解剖学』(河出文庫)
キャンベルの著書は、世界各地の神話の構造を解説したもので、あまり堅苦しくはないと思います。
ハードカバーしかないようですが。
種村季弘の著作は、澁澤龍彦と似た方向性のエッセイです。
が、含まれる情報量も文体も、かなり高度で濃密。
ひとによっては、読みにくいと感じるかも。
でも御陵的には、種村季弘の著作の方が好みです。
それから、よくある悪魔系の本では、児童書の立風書房ビッグ・ジャガーズ
『悪魔王国の秘密』
『ソロモン王の魔法術』
が軽いネタになるかも。
ただし、この二冊はいろいろと問題があって、どうやら内容の誤謬や掲載イラストの著作権問題があるらしい……。
なお、『悪魔王国の秘密』には、ソロモン王72魔王が全員イラスト付きで解説があります。
解説は恐らく『ゲーティア』の孫引き(未確認)で、魔王イラストの大半はプランシーの『地獄の辞典』の引用とイラストレーターのオリジナル。
ちらほらと、どこか古典からの借用が見られるようです。
もしかしたら今は入手困難かも知れません。
この『悪魔王国の秘密』掲載の画家に、秋吉巒という方がおられまして。
かなり風変わりな絵を描かれる方ですが、御陵の大好きな画家であります。
……余談ですが。
以上、御陵がモノを書くに当たり、ネタ元というか基礎となってきた本の幾つかを列記してみました。
(他にも岩波文庫 青/赤/白 各種あったりします)
……本音では、あまり明かしたくない(秘密にしておきたい)本もあったりしますが、どなたかの役に立つかも知れないので、自白して記録しておきます。
まあ、役に立たないかも知れませんが。
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