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にっこりと歯抜けの笑顔を見せて団子を瞬に差し出してきた。
「これ、瞬ちゃんにお裾分け」
「あ、ありがとうございます」
夜の八時。
いつもこのくらいの時間になると、こうやってデザートを持ってくるのだ。
瞬は甘党ではなかった。どちらかというと甘いのは苦手だった。それでも目を細めて笑顔を見せてやる。親切心で差し出されたものに嫌な顔は見せられない。営業をしていた時に身につけた技だった。
「じゃあ、私は寝るからね。瞬ちゃんもあまり夜更かしはせんようにね」
節は部屋を出ていった。
串団子を見る。白い丸皿にみたらし団子が三つ並んでいた。瞬は鼻から小さく息を漏らすとひとつ頬張り、またベランダに出た。
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