一日目

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私は中学校の時に、最初全く友達がいなかった。転校したため、当然のことだった。入る前からこうなることは分かっていたが、いざ現実を体験するとこんなにも心細く、不安と孤独でいっぱいだった。しかしながら、新しい生活に楽しみにな気持ちもありまだ余裕がある。新しい友達を作るチャンスだと思って気持ちは前向きだった。 「あれ、久しぶりじゃね?」 話しかけてきてくれたのは、偶然にも入学前に知り合ったことがある他校の男友達だった。 まさかここでまた会えるなんて。 不安は完全に遥か彼方へ飛んでしまった。 一気に中学校生活が楽しくなるような予感で溢れた。予感は的中したかのように、休み時間は一緒に過ごしたり、部活動見学へ行ったり、弁当も一緒に食べた。幸せだった。 しかし、 「あいつ、ウザイな。」 って、先輩がお前のこと言ってたぞと、わざわざ別のクラスメイトが教えにきてくれたのだ。 これにはかなり堪えた。 この一言が一気に自分のことを蝕んでいった。友達もいるし、中学校生活が楽しいものになると舞い上がって、調子に乗っていた私を奈落の底へと突き落としていったのだ。 なんて脆いんだろう。呪縛のようにこの言葉に苦しめられ、部活に行くことも怖くなり、人と話すことも怖くなり、学校にも行きたくないと思うようになったのだ。 唯一つの光は、その男友達だった。 教室にいるときだけは、まだ生きている心地がする。自分の居場所がある。 この人にはまだ嫌われていないと… 思っていたのに。 「遅刻すると頭バカになるよ」 ショックだった。 その時は相手のその一言を、冗談で受け止めきれなかった。相手も冗談で言ったようには思えない表情をしていた気がする。なんでそんなこと言ってきたのか、考えるだけで胸が苦しかった。 その男友達は部活でできた友達と過ごすようになり、私はついに孤立した。 ────そうだ。答えは、 「友達」 残り3秒というところで教室の出入り口が開き、息する間もなく駆け込む。時間切れになるとさっきまでいた教室は跡形もなく消滅した。 こうして出られない部屋を一日目はクリアできたかのように思えたのだが、新しい場所も密閉された空間だった。ここは、 「講堂だ。」
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