序章 地獄篇 

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巨大なおたまじゃくしに手足が生えたように 感じられたのは 焔氏 「気色悪いやつだな。あの丸い頭部といい ヌメヌメした感じと言い。弁慶さん。ありゃ 妖怪黒坊主かなんかっすかね?」と まだ余裕ある口をきいていたのだが やつが 小鬼を食らい付くし こちらに 頭を向けた時 二人とも 背筋に寒気がしたほど 嫌らしい悪寒がしました 「ありゃ妖怪じゃねえ。どうやら俺らトンデモナイヤツ相手にしてるようだぜ」と 武藤 弁慶 自身の体の芯から 霊気を溢れさせ始めています 彼は 体内に 金剛力士の霊気を宿していて それを呼び出し 剛力を 何倍にも高めることができるのだが 戦う前から 金剛力士の霊気を溢れさせるとは まさにいまだかつてない 敵と認めたようです。 「あいつは、禍物らしい。そもそも妖怪を食らうってのが異常なやつだ」と 言って 全身から 黄金の輝きを放射します それに釣られたか 黒い化け物 弁慶氏に 的を絞り 一気に飛びかかってきました。 ドスン ガスン 力と力とがぶつかりあい 物凄い 輝きが増しています 「野郎、俺は無視かよ!なめやがってえ。喰らえ!」と 焔 信司 大技 「火焔の雨ぇ」と 相手の頭上に 跳んでは 上から 物凄い数の炎の雨を降らせました 無論 金剛力士化してる弁慶を避けて 降らせたが 黄金の輝きを放っている彼には 炎の雨が直撃しても大したことではないと知ってのことだが その時でした。 巨大な黒い化け物の背中に穴が開いたかと思えば ヒトガタのこれまた 真っ黒な物が飛び出して 上に突き上げた両手を 左右に拡げて 回転しはじめました。 ヘリコプターのプロペラのように 急旋回しては 上昇 その回転で つむじ風をつくり 焔の雨を 弾き飛ばしてしまいました! そして 「闇半裂(やみはんざき)よ。そいつの力食らい付くしてやれ!」と そいつが 黒い化け物に命令 「てめえら。いったい何者だ?俺ら現象課の武討派二人に勝負を挑むとは。ふてえ野郎と化け物だな」と叫ぶ 焔に 旋回を止めて 地面に降り立った 黒いヒトガタ 「常闇一族。闇半裂と、わしは闇太郎だ。たかだか人の分際で何を言うておるんじゃ。若僧」 それを聞き弁慶が 「常闇一族。禍物、闇の眷族か。しかも二体も」 焔も理解したか 「って。あの闇の眷族」
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