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地獄篇 その壱
ここは 都内西部 九恩寺市の小高山近く
山あいにある 都立陵陽高校
すぐ 目の前には 大きな病院があります
自然豊かな この学校
夜11時過ぎ
こんな夜更けに 白いセーラー服を着た女子高生が 只一人 病院と学校の前の道路を 最近できたと言う 環状道路のトンネルへと 歩いて行きます
何故 こんな夜更けに?
バス停にでも向かい 駅に帰るのかと 見ていると
道路脇のバス停にも目をくれず
ひたすら 真っ直ぐ そのトンネルへと歩いています
「おかしい 確かに 以前はこの辺りまで 小高山の天狗たちの力が及んでいたはずだが。。。。。明らかに」
と 女子高生にふさわしくない独り言を呟く
彼女 黒い前髪 右側だけ 前に垂れては 右目を覆っています
小柄な細身の女子一人
何故 こんな街灯も疎らな道を歩いているのか?
ん?
いきなり 少女
立ち止まっては
辺りを見回しています
彼女はふと思う
「小高山 世界美主覽(ワールドビシュラン)にも選ばれたこの山
天狗信仰としてのこの山 何故 人は この山に穴を開けて 生態系を崩すようなことやってるんだ? 自然界だけでなく 異界とのバランスまで崩しているではないか」と
怒りの声をあげたくなるも
そこで 異変が
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