序章 地獄篇 

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玉川河川敷 付近の空き地に 車を停めて  二人 出てきました 「武藤さん この辺 古戦場とかあったんですよね 俺 歴史とか詳しくないから よく知らないけど」 「ああ 戦国時代なんぞよりももっと前の鎌倉時代後期 新田某と北条某が激突したんだが その分梅川原の古戦場近く 河川敷に あの剛鬼 三吉の封じ石があるはずだが。。。おかしいのぉ この辺に祠と一緒にあるんだがなあ 見当たらないのぉ」 夕日も沈み 暗闇と化した 河川敷故に 見えぬのでは?と 読者さんも思うでしょうが  彼ら二人は夜目も鍛えてあり この程度の暗さ問題ないはずが 「仕方ない ちっと 火灯してみますわ」と 言った 焔 信司 右手をパチンー?と鳴らしては 火の球をひとつ作り出して 上空へ 浮かばせました 彼 焔 信司は 火の使い手 いろいろな火の技を使いこなすので この程度 朝飯前と 光を灯したのだが 二人 その火の球に照らされた 河川敷を見て ビックリ なんとぉ 巨大な穴が空いているだけでなく 辺り一面に 岩らしきものが木っ端微塵に砕け散った石榑が 散らばっています 「おいおい なんじゃこりゃ? まさか こいつが 封じ石の成れの果てかぁ?」と武藤 弁慶氏 その石榑のひとつを拾って 何かを感じとろうと集中していると 「ありゃぁー こいつぁ やべぇぞぉ 」とすっとんきょうな声を出した 焔氏 「おいおい焔君 大きな声で騒がんでくれ 今 集中してるんだから」と弁慶が抗議しつつ 見た 焔氏の指差した方向 「うげぇ こいつぁ 封じ石を祀っていた祠かぁ? こいつも粉々じゃねえかぁ!」と 弁慶 自分も大声をあげていました そこには 鍛え上げられた鉄と銅などで造られ 祀られた祠が これもまた 木っ端微塵に吹っ飛んだ姿が目に入ったのです 「いったい 何が起きたんだぁ? まさか巨大隕石でも落下したかぁ?」と言う 焔氏 「それならば 隕石の破片やらあるだろ? ええいこれじゃあ 拉致があかんべー 」と言った弁慶氏  いきなり 角力の四股の不知火型を披露しては 「おりゃぁ どすこーい どすこーい 土地神よ ここへ出でよぉーどすこーい どすこーい」と 数度 四股を踏んでは 河川敷の砂地へと ドスンドスンっと 踏みしめるや 祠の横の 竹林から ゆらゆらと何かが! 
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