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あの日も、同じ事を言ったのだ。友見の頭には夜実と別れた時の景色が浮かぶ。いまだに覚えている。もう何日も前のことなのに。
「それ、明日じゃダメなの?」
ーーーあの時、ダメだと言えていれば、次の日も夜実と会えたのだろうか。誰もいない教室へ忘れ物を取りに戻っていれば、夜実は・・・。今、また同じ過ちを犯そうとしているのではないか。そんな考えでいっぱいになる。
「友見ちゃん、それじゃまた明日ね?」
「・・・・明日ね。」
夜実は歩いていく。友見はあの日から一歩も進めずにいるのに。二人の影は少しずつ離れていった。どうしようもない友見は自分の家へと歩き出す。
「大丈夫。明日も会える。だって夜実ちゃんは・・・・もういなくならないもん。」
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