4章 夜の学校

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そこでようやく気づいた。 ゆうき君がトイレの中に誰かを閉じ込めたことを。 周囲を見渡すとずっと端じっこにいたさよちゃんの姿が見当たらない。 そうこうしているうちに中から、 「開けて!ここから出して!助けて!」 と嗚咽混じりの声が聞こえだした。 私は必死にゆうき君に向かって 「何でそんなことしとん?出してあげて!」 って言ったがゆうき君は開けようとしない。 それどころかなにも言わない。 恐る恐るゆうき君の方を見上げると 笑っていた。 ニコニコって感じではなく薄気味悪いようなニヤニヤとした笑いだった。
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