5章 ノック

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5章 ノック

コンコン ああ、またこの音だ。 何の変哲もない自分の部屋に1人でいる時だけする音。 最初はうるさい母親でも来たかと思っていたが、返事をしても入ってこない。 返事がないことに腹を立ててドアを開け放つ 誰もいない。 思いっきり扉を閉める。 「コンコンコン」 誰もいないはずなのにまた音がする。 今度こそ怒りが頂点に達し開け放つ。 そこには… 足元で日本人形が自分の首を鷲掴みにしドアに押し付けていた。 こちらを見上げて笑っている。 コンコンコン それ以来ノック音がしてもドアを開けなくなった。
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