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「ついたよっ!海未ちゃん!」
いつの間にやら校舎の中。
穂乃果に見惚れていた私は、保健室のベッドに寝かされて、お姫様抱っこから解放された。
ポスッと音がしてから、意外と固い学校のマットレスに寝そべる私。
「ちょっとだけでもいいから寝たほうがいいよっ!」
焦ったように言いながら、備え付けの掛け布団をかける。
「なぜですか、なにもねるひつようはないでしょう」
「そんなこと言ってもダメ!海未ちゃん、昨日寝てないでしょ!?他の人は騙せても、穂乃果の目には勝てません!」
腕を組み、ふんっと言い放った。
「…………そんなこと言いながら、絵里に言われるまで気づけなかったじゃないですか」
認めるようなことを言ってしまった。
そんなことを言いあっていたら、なんとなく、意識がはっきりしてきた気がする。
「あー!認めたー!認めたね!?」
「うるさいです……」
穂乃果のうるさい声に、また頭が痛みだした頃、ガラッと来客が。
「高坂さん、うるさいですよー?」
我が校の保健教師である、おねe……優木先生。
「あ!おねぇちゃーん!」
タタッと駆け寄り、ギューと抱きしめる穂乃果に、やれやれと言うポーズをとりながら、言った。
「相変わらず元気ねぇ……私の妹は」
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