5話 園田海未の憂鬱

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「ついたよっ!海未ちゃん!」 いつの間にやら校舎の中。 穂乃果に見惚れていた私は、保健室のベッドに寝かされて、お姫様抱っこから解放された。 ポスッと音がしてから、意外と固い学校のマットレスに寝そべる私。 「ちょっとだけでもいいから寝たほうがいいよっ!」 焦ったように言いながら、備え付けの掛け布団をかける。 「なぜですか、なにもねるひつようはないでしょう」 「そんなこと言ってもダメ!海未ちゃん、昨日寝てないでしょ!?他の人は騙せても、穂乃果の目には勝てません!」 腕を組み、ふんっと言い放った。 「…………そんなこと言いながら、絵里に言われるまで気づけなかったじゃないですか」 認めるようなことを言ってしまった。 そんなことを言いあっていたら、なんとなく、意識がはっきりしてきた気がする。 「あー!認めたー!認めたね!?」 「うるさいです……」 穂乃果のうるさい声に、また頭が痛みだした頃、ガラッと来客が。 「高坂さん、うるさいですよー?」 我が校の保健教師である、おねe……優木先生。 「あ!おねぇちゃーん!」 タタッと駆け寄り、ギューと抱きしめる穂乃果に、やれやれと言うポーズをとりながら、言った。 「相変わらず元気ねぇ……私の妹は」
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