4話 父の言葉といつもの日々

8/12
前へ
/22ページ
次へ
「ねぇ、海未ちゃん」 五日目の朝、朝食を作る後ろ姿をボーッと眺めていると、ことりから話しかけられた。 「はい、なんでしょうか?」 思ったんだけど、と切り出しながら味見をすることり。 「カレンダーに、自分の予定の付箋を貼っておかない?」 同棲とかの本でよくありそうな提案をしてくる。 「いいですよ」 朝のコーヒーを飲みながら答える。 「それなら良かった。青が海未ちゃんでいい?」 「構いませんよ」 「じゃあ、青色が海未ちゃんの予定で白がことりの予定ね!」 ペタペタと楽しそうに貼っていくことりを眺めながら、朝食を食べ進めていく。 「ごちそうさまでした、時間大丈夫なんですか?ことり」 「え?………あー!間に合わないかもしれない!急げー!」 ドドド、と土煙が出そうなほどの勢いで走り出した、パジャマ姿のことりを苦笑いで見つめながらカレンダーを見る。 カレンダーの今日の欄には、白い付箋で『友達と放課後デート!晩御飯はいりません』と書いてあった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加