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月曜日の朝は予定通りに駅まで歩いて行った。片手に土曜日に描いた水彩画を持っている。職場で皆に見せようという思いからである。駅に着くと、いつもの通り後から永井さんがやってきた。由里は少しドキドキした。 「おはよう。身体の調子はどう?」 永井さんに問いかけられる。 「身体?別に変わりはありませんけど」 「いや、不眠症だって言っていたからね。眠れたかなと思って」 「相変わらず眠れていないですけど、大丈夫です。何故か凄い元気です」 確かにあの日は殆ど眠れなかったが、とても調子が良かったし、おまけにいい水彩画も出来上がった。何故だろう。 「サプリメントが効いたかな?」 そう言えば、疲れに効くというビタミンサプリを貰って飲んだ記憶がある。お酒を飲んでいる最中の事なのですっかり忘れていた。そうか、それで調子が良かったんだな。由里は何となく納得した。 「とても良く効きました。安いのなら私も買おうかな。何て名前のサプリですか?」 「それが、このサプリは僕の友達の会社が販売しているもので、市販では買えないんです。僕のを分けてあげるよ」 「すみません。じゃあそれを買います。いくらですか?」 「安い物だからあげますよ。」 そう言って永井さんはバックの中からサプリメントの入った小瓶を取り出した。 「はい。ビタミン補給を忘れずにね。あっそれから苦い薬だから味わずに直ぐに飲んでください」 「解りました。カプセルの薬でしたっけ?」 「そうです。なので大丈夫だと思いますが。念の為」 そんなやりとりをしているうちに電車が来て二人はそれに乗った。どうしよう。貰ってしまった。次回からはきちんとお金を払おう。由里はそう思うと、サプリメントを大事にバックにしまった。
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