デストロイヤにこんにちは

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Aが生まれた瞬間、私は確かに心底喜んでいた。大地が、森が、海が、空が、全宇宙が祝福しているような気がした。私は幸せで、満たされた心地で、私の中のあらゆる秩序や価値観が、無垢なAのためにすべて転換してしまったとしても、構わないのではないか、とさえ思ってしまっていた。  まだ無邪気な頃はよかった。あどけない笑顔で、「母さん、絵が描けるようになったよ!」とか、「料理ができるようになった!!」とかってせっついてきて、「すごいね、よくできました!」と褒める。毎日本当に楽しそうに、成長していくAは、本当に素直で、愛らしくて、私の一つの生きがいだったのだ。  でもそんなのは幻想に過ぎなかった。  Aはある日、私のことを母さんと呼ぶのをやめた。  ビシイッ!  鞭の音が薄暗く熱い部屋に響く。左腕が腫れあがってくる感触を覚えた。荒い息遣いが耳をいたぶる。 「ハハハ…どうだ!大好きな鞭の味は!今日も、好きなだけ傷だらけにしてやるよ…」  サディスト気取って言い放ったのであろう、くさい決め台詞は、ただ気持ち悪いだけだった。愛もなく、自分の好きなように、私を弄ぶくせに、よく言うよ。と、一息つく間もなく、また鞭が飛んでくる。  バチッ! 「あう」思わず声が漏れてしまった。     
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