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もう、あと一人しかBANできない。
凍水の妻が見せたノートを見た。
(……マジかよ。これはまずい)
ノートには、自分が大興商事の凍水であること、ある瞬間を境に、会社の人間や家族からその存在を否定されたことが書かれていた。
そして、これは誰かが仕組んだ罠だと付け加えられていた。その犯人の筆頭に、オレの名前が書いてあった。
(クソっ。分かるはずはないが、変な風評を立てられたら面倒だ)
この女、危険な存在だ。
「そのノート、しばらく預からせてもらえませんか? 何か、お役に立てることがあると思いますので」
オレは掌を返すように、にっこりと笑って告げた。
ところが、女はオレの手からノートを「バッ」と奪い取った。
「お断りします。きっと、夫につながる大切なものです!」
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