にたまっ!

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「いい?相手は氷上の魔女達…魔法攻撃が強力すぎて球を動かす時の魔法の余波ですら喰らうと危険よ。わたくし達は交代要因がいない、一人でも再起不能になればその時点で試合終了。ニャンコは氷像を守りつつ余裕があれば皆にも防御魔法をかけて。ミィシャンは回復に専念。フウジンがアタッカー、私が魔法でサポート。おたまは能力を確認してる時間がないから最初はフリーに動いてみて。試合で確認するわ」 「ふん、私一人で充分だ。見ていろ」 「うーん、ウチたぶんそんな余裕ないかな~?まぁやってみるよ」 「こ、怖いですけど頑張ります!」 なんか…チームにまとまりを感じないなぁ。 チーム戦で一番大事なのはそこだと思うんだけど…異世界にはそんな慣習がないのかなぁ…?…じゃなくて! やっぱり辞退させてもらおう! 球技は好きだけどこれはいきなりすぎるよ! しかも私に能力なんかないし!不安しか感じない! 「あの!ごめんなさいですけどやっぱり私っ…!」 「これがアイスクラッシュヘブンで使う『氷球』よ、おたま。今回はわたくし達ボールでスタートだから預かってきたわ。絶対に壊れない『不損の氷球』。どんな力を使っても動かすことしかできない球、持ってみる?」 キラキラキラキラキラ…… 「………うわぁぁ………っ!!!」 ミュリお姉さんの手の上には宙に浮いた美しい氷の球体があった。 それは私が初めて出会う球……目をそらしたら消えてしまいそうな程透明な……それでもしっかりそこにある事を示してくれる…矛盾を孕んだ紫で透明な球。 「すごぉぉぉいっ!すごいよぉぉっ…!」 これが異世界球技のボールっ! 何て美しいんだろぅっ!     
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