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「王様、今日と言う日が私達の幸せな日々のはじまりですね。」
「妃よ、身体は大丈夫なのか?」
王は、妃に優しく声をかけながら早く休ませる為、一言。
「誰かおらぬか。」
「只今、王様お呼びでございますか。」
王は、少しきつめに妃より向こうの方を見て言った。
「早く妃を休ませよ。」
王は、妃の手を握りながら自分の身体からはがした。
「王様・・わたくしは・・大丈夫ですから。」
妃は、剥がされた両手をもう一度王の方へ伸ばそうとした。
「妃よ、産後すぐ歩くなど身体にさわるゆっくり休め。」
後ろを向いた王の一言で妃は、自分の部屋へさがるしかなかった。
王の側によった執事が小声で王に受け答えし、妃に一礼し腕から指先で退室をうながした。
さっきいた部屋に帰るはずが、なんだか長い廊下を歩いている。
空気もひんやりしたのが肌に被り、小さなドアの前でメイドがとまりカギを取り出しカギ穴にはめ込んだ。
「ガチャ」
小さなドアを開けたメイドが、どうぞと言わんばかりに手をドアにむけた。
「何故!わたくしを誰と・・・」
妃に忍び寄る・・・
・・・黒い影が人の容姿をして・・・
妃の後ろに執事とメイド長、そして産まれたばかりの赤子を抱いているメイドがいた。
「オギャァ~オギャァ。」
「わたくしの子よ!我が子を返してぇ~」
妃は、涙ながら懇請。
高圧的に上から執事が、妃の耳元で優~しく呟く。
「お妃様、我が子が大事ですか?おぉ~そのお顔は?目が大事と訴えてます?」
妃は、頬をつたう涙が熱く感じるほど怒っているのに唇を噛み締めながら頷く・・・何度も頷いた。
ひざまずいて懇願する妃は、凛とした品格に美貌を独り占めしてた女性とは、かけはなれていた。
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