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執事の命でメイド長がメイドに目から顎で指示してから少したち・・・そこに立っていたイライラ気味のメイド長が早口で声をあげた。
「早くなさい。」
「は・はい。」
カギを開けたメイドが今一度、腰を少し屈めながら小さなドアの方へ妃を促した。
妃はメイドをドアの方へ身体を屈めながら見た、はじめは怒り心頭だった妃も唇を噛みしめ黙るしかなかった。
《悪いのはメイドではない・・・悪いのは!王様?耳打ちした執事?・・・私は必ず這い上がってみせる。》
妃は、ドアの中に消えてしまう前に一旦身体を起こし180度回転、指先に衣を絡め掴み心を示すように腰を少し落とし最後の挨拶。
両手を差し出し我が子をこの手に隠すとドアの奥に消えていった。
妃が小さなドアへと屈む際に、頭を覆うメイドの手が優しさを感じた妃は、必ずこの者を味方につけると誓った。
「ねぇ、あなた名は?」
これから妃が、住まう事になる部屋の場所がまったく分からない不安を、打ち消そうとメイドに聞いた。
「わ・私の?」
「そう!あなたの。」
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