第1章 白星黒星

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 メイドは後ろからの視線に気を張り、自身の(まなこ)を妃に・・・ 目配せで観つめ心願とした。 ー-----    ------- 妃の人を観る目に懸けたカケだった。  《どうか私めの名なぞお気にとめなさらず・・・そのまま奥へ。》  「いや、すまぬ。余計であったな。」 メイドは、自分の今の立ち位置をわかりすぎるほどわかっていた。 妃の一言が何事もないように一歩を出せた。 冷や汗が背中をつたい緊張の塊が囁きながら襲ってきそうで生きた心地がしない。 小さなドアが閉まるまで、メイドは軽い呼吸をし、まるで息をひそめるように息の音は小さく早かった。 ドアの閉まる重い音は、暗い空間に響き、 心がなくなりそうで不安が足もとまで来ていた。  「シュッ」  「ボッ」  「ガシャッ」 ランプの明かりに一時、皆深呼吸。  「カ・カビ!」 妃は、我が子に目をやると、スヤスヤと眠っている王子にほっとした。
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