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「お嬢様は尚ちゃんさんに恋をしておられるのですね。そして真人先輩さんに嫉妬している……」
こい。
私は脳内の辞書でこいを変換する。
鯉。故意。濃い。恋。
あぁ、あの恋か。ラブの恋のことね。
ん?
私が尚ちゃんに恋をしている?
あまりの驚きに私は叫び声を上げた。
「お嬢様!どうなさいました?」
林は私以上に驚きながら声をかけてくれる。
「私が……尚ちゃんに……恋?」
「さようでございます」
私が尚ちゃんに恋をするなんて!
私が女の子を好きになるなんて!
自分でもびっくりしたけど、この気持ちが甘くてふわふわしていてる理由がわかった。
──私はこの気持ちを大切にしたい……
正体不明の感情が明らかになって幸福に浸っていると大変なことに気付いてしまった。
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