消滅日和

3/6
前へ
/6ページ
次へ
 しばらくして、違う通行人が現れて、通報して、警察が来て。日下部くんは救急車に乗せられて行ってしまいました。  ああ、こんな形で終わるなんて。  そう思っていると、ふっと横に日下部くんが現れました。 「く、日下部くん!?」 「あれ? お前……横溝、か? マジかー! てかお前と同じとこで死ぬとか。俺……マジ終わったわ……。なあ、てかお前、まだ成仏してねえの?」  いろいろとマシンガン的な速さで訊かれましたが、なんと言っていいかわかりません。  黙っていると、日下部くんはさらに言いました。 「お前、亡くなったの俺が一年のときだったろ、たしか。何? ここで死ぬと成仏できないわけ? だったら俺もじゃーん。うわーサイアク」 「いや、それは……ないと思うよ、たぶん。日下部くんはきっとすぐに成仏できるよ」 「ええー、そうかなあ。だって病院に着く前にここに来たぜ? ってことはここに縛られちゃったってことじゃん。な、お前もそうなんだろ?」 「うーんと……わたしは、心残りがあって……それでここにいただけだから。縛られた……地縛霊って言ったらそうかもしれないけど。でも、わたしはいいとして、日下部くんはなんでここに?」     
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加