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しばらくして、違う通行人が現れて、通報して、警察が来て。日下部くんは救急車に乗せられて行ってしまいました。
ああ、こんな形で終わるなんて。
そう思っていると、ふっと横に日下部くんが現れました。
「く、日下部くん!?」
「あれ? お前……横溝、か? マジかー! てかお前と同じとこで死ぬとか。俺……マジ終わったわ……。なあ、てかお前、まだ成仏してねえの?」
いろいろとマシンガン的な速さで訊かれましたが、なんと言っていいかわかりません。
黙っていると、日下部くんはさらに言いました。
「お前、亡くなったの俺が一年のときだったろ、たしか。何? ここで死ぬと成仏できないわけ? だったら俺もじゃーん。うわーサイアク」
「いや、それは……ないと思うよ、たぶん。日下部くんはきっとすぐに成仏できるよ」
「ええー、そうかなあ。だって病院に着く前にここに来たぜ? ってことはここに縛られちゃったってことじゃん。な、お前もそうなんだろ?」
「うーんと……わたしは、心残りがあって……それでここにいただけだから。縛られた……地縛霊って言ったらそうかもしれないけど。でも、わたしはいいとして、日下部くんはなんでここに?」
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