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「いやー、よくわからん。心残りっていやあ、もうちょっと野球したかったなーってぐらいだけど。それももう引退したし……。うーん。なんでだろ。てか、マジかー!」
日下部くんは本当に死んだのが残念そうです。
なんでここに来たのか本当によくわからないけど、でも、今なら言えそうなのでわたしは言うことにしました。
「あの、日下部くん。こんなときに言うのもなんなんだけど……わたし、日下部くんのこと、ずっと好きだったの。それを……言いたくて、あの日もここで待ってた。でも、事故に遭っちゃって……ずっと言えなくて……」
「え? 嘘。それで、まだここにいるの? もしかして」
「うん……ごめん。気持ち悪いよね」
「いや、気持ち悪いっていうか、正直怖い。何? ずっといたってことは……」
「うん、日下部くんのこと毎日見てた」
「うわああ~~!」
「ごめん……ごめんなさい! ひ、引かないで!」
「いや、普通に引くよ。そうか。そうだったんか。まさかお前のせいで俺……?」
「いや、わたし、何もしてないよ。さっきの! 日下部くんは、ただ運が悪かっただけ……だと思う」
「運が悪いとか……はあ……」
こんな告白。
普通に考えても成功するわけないです。
ただでさえ、死んだばっかりで気分が落ちこんでいる人に、地縛霊が告白したって嬉しくなんかないに決まってます。
「うう……」
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