消滅日和

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 それでも、最後に好きな人と二人だけで話せて、良かったです。 「さようなら、日下部くん」  そう言ったつもりだったけど、もう日下部くんにはわたしの声は聞こえなくなっているようでした。  姿ももしかしたらまったく見えなくなっていたかもしれません。  だから、でしょうか。  最後に彼の言った言葉がなんだったのか、深く考えることもできずにわたしは消えて――。 「ヤバ……ヤバいよ! さっきはああ言ったけど……俺、もしかして桜井に告白できなかったのが心残りなんじゃ? 卒業式の日に告ろうと思ってたけど……。待って。それって横溝以上に、無理ゲーなんじゃ――」
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