仕事に明け暮れる side 唯奈

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仕事に明け暮れる side 唯奈

玲司と別れてから、わたしは今まで以上に仕事に没頭した。 いつもなら数をこなさない競合コンペティションをほぼ全てノミネートし、半数以上を勝ちとった。 ただ、がむしゃらに建築デザインを手がけてるのに成果が出た。 仕事を勝ちとったら、その図面を建築施工管理部門に引き継ぐための事務的な仕事にも時間を取られる。 毎日、早朝から深夜近くまで働いた。 わたしが手がけた建築物がオープンされる時に何度か来賓として呼ばれ、挨拶をした。 わたしは、建築士として世間に認められた。 玲司と別れてから、玲司ともゼミ仲間とも連絡を取り合ってない。 グループLINEはよく来るけど、開かなかった。 ゼミ仲間との飲み会にはいけない。 玲司に『友達に戻ろう』と言われたけれど、わたしは玲司が今でも好きだから無理。 時間がたてば、ただの友達に戻れるのかな…。
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