偶然という必然なのか side玲司

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オープンして1週間目の金曜日 平日の夕方なのに、子連れのファミリーが多く訪れていた。 唯奈が手がける建物のデザインがダイナミックになっている気がする。 唯奈の成長が伝わってきて、俺も頑張らないといけないなと思った。 科学館だから、科学的な装置などが展示されていて、隼人と童心に戻り、楽しんだ。 全てを見終わって、科学館をら出ようとしたら、出口付近に唯奈がいた。 隼人の腕を引き、見えない位置に隠れた。 「あれって、堀田唯奈だよなって、なんで隠れるんだ」 隼人が懸念そうに俺を見てくる。 「色々あって、唯…堀田とは気まずいんだ。あいつが出てくるまで、隠れさせて」 隠れずに堂々としていたらいいのに、久しぶり過ぎて、唯奈とどう接したらよいかわからずに逃げてしまう。 俺から、ただの友達になろうって、言ったのに…。 出て行くと思ってたのに、唯奈がこっちに向かって歩いてきた。 気づいたら、俺は、館内の事務所の前にいた。 「…玲司」 「よっ、お久しぶり、唯奈」 見つかってしまった。でも、唯奈は仕事のはず…。 会ったところで、すぐにさよならだ。 ふと、隼人がいる方を見ると、隼人も可愛らしいきれいな子に抱きつかれて泣かれていた…。
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