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「玲司、仕事と辞めて、何をしてるの?LINEしても、既録にもならないし。友達に戻ろうって言ったくせに、別れたらブロック。玲司、わたし、別れる事、納得してないからね」
座り込んで隠れてた俺を、見下ろす唯奈。
泣きそうな顔で俺を見つめてくる。
「何をしてるっていうと…、2日後に海外青年協力隊員でインドネシアに赴任する」
「海外青年協力隊員でインドネシアに?」
「そう。俺、頼りないだろ。だから、自分に自信をつけたくて、2日後に土木の技術者として2年間、インドネシアに行って修行してくる」
「そっか、大学時代に言ってたよね。海外青年協力隊員になって、発展途上国を住みやすい街にする支援をしたいって。
玲司は合わない営業の仕事に区切りをつけて、自分が本当に就きたい仕事をするために努力してきたんだね」
泣きそうだった唯奈な顔に笑みが溢れた。
「玲司、インドネシアから帰ってきたら、また付き合おう。
今は、ただの友達でいい。
インドネシアに行って、自信がついたら、わたしの所に帰ってきて」
唯奈が、俺の右手薬指にいまだにはめてたペアリングに気づいた。
唯奈の右手薬指にも、俺と同じペアリングがはめられてるままだった。
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