別れてくれ side 玲司

6/6
前へ
/24ページ
次へ
唯奈は俺を切なそうに見てくる。 その瞳を見てられなくて、俺は目を逸らし後ろを向いた。 そして、JR山手線外回りのホームに向かって歩く。 ホームに着いて後ろを振り向くと、唯奈はついてきてない。 終電間近で、帰れなくなる。 唯奈が居た場所に戻ると、唯奈は涙を流して立ち竦んでいた。 「兎に角、終電がくるから、今日は帰ろう。唯奈、これからは友達として付き合っていこう」 唯奈の手を引き、JR山手線外回りのホームに向かった。 涙を流し続ける唯奈 終電間際だから乗車客は少なく、唯奈を抱きしめたい衝動にかられながらも堪えた。 ここで抱きしめてしまったら、元の木闇になる。 唯奈の事、本当は好きで愛してる。 でも、俺は唯奈に相応しくないから、だから、唯奈の恋人では居られない。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

423人が本棚に入れています
本棚に追加