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放課後、約束の時間になれど、奴は来ない。
そして、なぜおまえがいる浦原。
「ね、浦原、宮上君知らない?」
「ん?なんであいつなの?俺でいいじゃん」
「意味わかんないんだけど」
んー、と言いながらこてんと私の方に頭をのせる浦原。
最近おかしくない?
「宮上君、好きです!!」
体育館裏から声が気こえた。
気になって近づいてみる。
「あ、ごめん。僕、誰とも付き合う気ないんだよね」
「あの人…名前なんだっけ、そう成海先輩!は何なんですか!?」
「あれは、恋愛感情とは違うよ」
「え、何あれあいつやっぱモテるんだ」
壁からひょいとのぞき込んでいると後ろから浦原の声がした。
「え、お前ショック受けないの?」
「ん?何が?」
「さすがゴリラ、恋愛には無縁だな」
「誰がゴリラじゃ!くたばれ鬼畜が!!私だって恋愛してみたいし。青春したいんだよ」
「んじゃあ、俺にしろよ」
は?
私は困惑しながらそっちを見た。
浦原は、真っすぐ私を見ていた。
「俺も彼女欲しいしてか、お前、宮上好きじゃないんだろ?なら俺でいいだろ」
「い、いいけど」
浦原のいつもと違う様子に不意にも心が動いてしまった。
というか、何か、何だろう。
この事実を知って宮上君がなんて思うかが気になる。
これが、とてもめんどくさいいざこざの発端になるとは私は知らない。
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