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「先輩、どうしたら僕だけ見てくれるんですか」
上目遣いで目を潤ませて言う王子は最早メンヘラに分類されるのではないか。
「重たい彼女かお前は」
「だって、先輩が連絡先くれないから」
「そのうち、お前勝手に合鍵作っちゃった♡とか言いそうで怖いわ」
「先輩の心の合鍵である連絡先欲しいです」
会話がかみ合わない。
「うぜー」
「先輩♡♡♡もっと♡♡」
「きっしょっ」
「先輩の罵りは興奮材料にしかなりませんよ。んふふふふいっそ、その美しい白い手で僕のことを殴ってくれても良いんですよ」
「なんなの、ほんと」
「先輩、電子的に罵って」
さすがに面倒くさくなって、ケータイを取り出した。
「はい。ID教えろ。交換すれば良いんでしょ、交換すれば」
「わーい!先輩大好き!!」
突然、王子は抱きついてきた。
少し速い鼓動が、王子から聞こえるのを聞いて、少し意識しそうになったがそんなの勘違いだ。
「先輩、交換ししましょ!」
私を解放すると元気に走り回る彼。
どこにその力があるんだろうか。
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