同じ空の下で

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 昼休みもそこそこに、私はすぐに地理歴史教室移動した。すぐさま落書きを確認する。するとやはり返事がきていて『上手いね。すっごい可愛い』と書かれていた。思わず嬉しくなって、ニヤニヤが止まらない。そして私の猫の横に矢印が書かれ、その先に円筒のようなものが描かれていた。不思議に思って考えてみると、これは絵しりとりをしようという誘いなのだと理解した。猫、だからこの絵は『こ』から始まるもの……と頭をひねって考えてみるが、独特な絵すぎて私はわからない。円筒の上の面にもう一本線が引かれているのは何故なのだろうか……と考えていると、これは飲み物を表しているのではないかと気付いた。つまりこれはコップということだ。 「取っ手つけたらわかりやすいのに」  そう一人ごちで私はプリンアラモードの絵を描いた。クリームやアイス、果物をたくさんのせおいしそうに描けた。今私が食べたいものだ。ちょっと反則気味からもしれないが、わかるだろうか。この絵や文字から察するに、この落書きを書いている人物は男子生徒な気がした。男の子はプリンアラモードを知っているのだろうか。横にスプーンをオマケに描いて「ンじゃないよ!!」とヒントを与える。これで気づいてくれるだろうと、一人したり顔で笑った。
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