Prolog 遅延性シンドローム

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 僕は甘いものが大好きで、カフェや喫茶店巡りが趣味だ。いつも、スイーツの情報をチェックしているのだが気が付かなかった。 「だから、今日、どう?」  奏多はにんまりと笑って僕に訊ねた。  もちろん、答えは一つに決まっている。 「行くー!」 「和弦はどうする?」 「めんごー」  和弦も甘いものが好きなので、絶対に来ると思ったのに。  期待を裏切られた僕は、先程の仕返しだと和弦に嫌味ったらしく詰め寄った。 「えー? なんで? 行こうよ?」 「彼ピとデートだから、無理」  そう言う彼の耳には、数あるピアスの中でも一番キラリと光っているものがあった。それは、真っ赤なルビーのピアスだ。シンプルだが、とても和弦に似合っている。  それもそのはず。
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