Prolog 遅延性シンドローム

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「奏多も僕と育美が付き合ってると思ってたの?」 「当たり前だろ! そんなの、皆、知ってるよ」 「え……? 皆って、どこまで?」 「学校中」  僕は奏多の言葉に衝撃を受けた。  学校中の人、皆、僕と育美が付き合ってると思ってたの!?  今更だけど、なんか、育美と一緒にいると生暖かい目で見られてると思ったら、そういうことだったのか……。  和弦が奏多に、育美が彼女が出来たことを僕に報告しに来たという話をすると、奏多は一言呟いた。 「ありえん」 「だよな! こいつら、可笑しいわ」 「同意。あれだけイチャイチャしといて、マジでこれは無い」  こいつら、とは僕と育美のことだろう。  育美のことを馬鹿にされて、僕は少しムッとする。
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