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1人になりたくない一心で、ズルズルと明美ちゃん達と友達をつづけていた私だが、夏休み明け、私達のクラスに転校生がやって来た事から日常は変わっていった。その子が転校してきた事は、夏休みが終わり、楽しい事をやりつくした私達にとって、新たな楽しい事だった。みんなが転校生を取り囲み、質問攻めにしている。新しいクラスのメンバーを、自分のグループに入れる為に必死の様だ。だって、新しい友情って新鮮。マンネリ化したグループ内の友情に、新しい風を吹かせたいもんね。
「ユキちゃん、良かったら校内を案内するよ」
質問攻めにしている子の垣根を掻き分け、明美ちゃんは転校生に声をかける。
「みんな、質問ばかりじゃユキちゃんも困るでしょう。そんな事より、ユキちゃんが気持ち良くこの学校で過ごせる様に、助けてあげないと。質問攻めはその後で良いじゃん」
そう言って、転校生に手を差し出す明美ちゃんは、格好良かった。正直面倒臭い子だけど、こういうところは好きだなぁ。
「有難う。助かるよ」
転校生は差し出された手をガシリと掴んだ。
こうして転校生こと、雪子ちゃんは流れで私達のグループに入った。あーあ、明美グループかよ可哀想にという、他のグループの呟きが聞こえた。
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