友達100人

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「本当に謝らないわね、あの子」 学校の帰り道、明美ちゃんがボソッと呟いた。サイン帳の件で揉めて3日目、雪子ちゃんは私達とは関わらず、かといって他のグループにも入らず、1人で過ごしていた。なんて強い子なんだろうと思った。雪子ちゃんはけして自分の意見を曲げない。意志が強い。でも、それが原因でぼっちになってるの、寂しくないの? 「サイン帳くらい書いても良いのにねー」 「変わり者過ぎるよあの子」 梅子ちゃんと桃子ちゃんが、明美ちゃんに同調する。いつもの光景だけど、私は少しモヤモヤしている。確かにそうなんだけど、だからって友達をハブるのはどうなの? 「明美ちゃん、やっぱりこれはいけないんじゃない?雪子ちゃんを友達だと思ってるなら、たかがそんな事でハブるのはどうなの?」 私の問いに、明美ちゃんは苛ついたらしい。私を睨み付けてはぁ?と言うと、立ち止まり電柱にパンチした。痛かったらしく、ちょっと呻くと改めて私に向き合った。 「何よ、私が悪いっていうの?悪いのは言う事聞かないユキちゃんでしょ?友達になってあげたのに、あの態度はムカつくわ」 「友達だからって何でもウンウン聞けないよ。雪子ちゃんには雪子ちゃんの考えがあるんだよ。尊重してあげたら?」 「春子!あんたまで何なの?私が気にくわないなら、グループから出ていって良いんだよ?」 明美ちゃんだけじゃなく、明美ちゃんの背後で梅子ちゃん達まで私を睨み付けている。グループの空気を悪くすんな!という梅子ちゃん達のオーラを感じて、私はとっさに謝った。私は1人になるの嫌だから。 「仕方ない、許してあげる。あ、おばあさん、荷物持ちますよ~」 重たそうな荷物を抱え、ヨタヨタ歩く知らないおばあさんを見付けて、明美ちゃんは駆けていく。明美ちゃんのこういう所は大好き。でも…何か疲れてきちゃったな。
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